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都政を支える広域網のレイヤー3スイッチにApresiaを選択し、約650の事業所で展開。機器認証の導入により、セキュリティ向上の一翼を担う。
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東京都では、電子都庁推進計画に基づいた情報基盤整備の一環として、広域網を支える第2世代のレイヤー3スイッチ(以下L3スイッチ)に日立電線のApresiaを採用。
本庁舎と事業所間をつなぐスーパーバックボーンにおける高度な情報セキュリティ環境の礎を構築した。
Apresiaについて、総務局IT推進室情報通信係長須田徹氏、次席岸博之氏に語っていただいた。
またネットワークの維持管理、技術支援を行っている株式会社NTTデータの小島隆義氏、SEの小池政弘氏にも同席していただいた。
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名称 |
東京都 |
所在地 |
〒163-8001
東京都新宿区西新宿二丁目8番1号 |
URL |
http://www.metro.tokyo.jp/ |
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セキュリティ強化のために、L3スイッチをリプレイス。
約650の事業所にApresia670台を設置。
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都民の暮らしを支えるさまざまな行政サービスを提供している都庁。
その範囲は、都内23区はもちろん、多摩地区、島しょ部に至るまで、きわめて広大なエリアに及ぶ。
開かれた都政と都民サービスの向上、さらに職員の業務効率向上のために、平成13年から始まった電子都庁推進計画を平成15年に完了。
全国の自治体の中でもトップレベルの情報基盤を整備した。
その第ニフェーズとして取り組んだのが認証ネットワークである。
IT推進室の須田氏は語る。
東京都庁
総務局IT推進室
情報通信係長 須田 徹 氏
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「IT推進室では、都職員の業務効率化のためのIT化を進め、各局の情報推進担当と協議しながら基幹ネットワークの運用管理を行っています。平成13年に始まった電子都庁推進計画のもと、本庁に勤務する約10,000人の職員全員に端末を設置してスーパーバックボーンを構築しました。平成14年には都内に分散している事業所においても本庁と同じ環境を実現することを目的に各事業所と本庁舎とを広域ネットワークで結ぶためにL3スイッチを導入しています。いま時代の大きな変化とともに情報セキュリティに対する意識が高まっています。今回のリプレイスを機に、セキュリティ強化の第一段階として認証スイッチの導入を検討したわけです」
認証機能の必要性について須田氏は説明する。
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「平成13年に3,000台であった端末がわずか3年で30,000台になり、すべてを管理するのが困難になってきました。東京都の事業所は現在約650カ所あり、それぞれの業務に特化した形で事業所単位で展開しています。事業所というのは、都税事務所、都立高校、都立病院、管理事務所などです。都民と直接接するケースも多く、セキュリティに関しては事業所レベルにおいても徹底した管理が必要となってきたのです。万一トラブルが発生した時に、業務が停止してはなりません。万全に万全を期すためにも、認証スイッチの導入が急務でした。そこでこちらの要求を盛り込ませていただき、平成17年に入札を行いました」
公平中立に行われる入札制度のもとで、Apresiaはどのようにして選択ラインに到達したのであろうか。
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ダウンタイムを最小限に抑えながら、ネットワーク移行を職員が意識することのない導入をめざした。
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東京都庁
総務局IT推進室
情報通信係次席 岸 博之 氏
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入札から機器選定の経緯について須田氏は語る。
「展開拠点が650カ所という多さもあり、構築期間が長くなっています。平成17年の5月頃に仕様を作り始め、7月に入札を実施しました。8月後半から設置を始め、今年の1月をもって完了。約半年かかりました」
機器選定ポイントについて岸氏は説明する。
「機器認証に関して検討を始めたのは、平成16年からです。各社からさまざまな提案をいただきましたが、Apresiaの機器認証が無理なく導入できそうな感じでした。それ以外は、他のシステム部門での運用変更も多く行わなければならず、ハードルが高かったのです」
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Apresiaが適合した条件とは何であったのか。
岸氏は続ける。
「大切なことは、エンドユーザー(職員)にネットワークの変更を意識させないことです。例えばIDパスワードを使うとなると、端末を使っている約30,000人全員が登録しなければなりません。仮に間違いがあった場合には、業務がストップしたり、大変なことになります。それで最も確実な方法を取ろうということで、機器認証を選択したのです」
Apresiaについてどんな印象を持たれたのだろうか。
「Apresiaについては、いろいろな展示会などを通じて知っていました。他社製品にはない新機能を備えていますし、認証機能についても他社よりも早く実装していた。進んでいるな、という印象を持っていました。納入実績も多く、信頼性も高い。国内メーカーですから万一の時に安心です」
と岸氏は述べる。
須田氏は最初の印象を次のように評価する。
「既存の機能はもちろん、今後我々が必要とするであろう機能が盛り込まれていて良かった。L3スイッチは各事業所にとっては肝になるものです。メンテナンスの面から見ても、その信頼性の高さは国内メーカーならでのアドバンテージがあると思いましたね」
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東京都庁様 ネットワーク構成図
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国内メーカーとしての実績とレスポンスの早さを評価。
デモの印象がそのままApresiaの信頼性につながる。
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認証スイッチへのリプレイスに対してはどのように評価されているのであろうか。
須田氏は率直な感想を述べる。
「短期間で更新できて、更新後も何事もなかったかのように動いている。ユーザーはおそらく変わったことがわからないはず。新しい製品を導入する時は新しい機能を手に入れることになって良いのですが、何事も起きていないというのが大事なことです」
岸氏は次のように評価する
「我々の要求通りの導入を行うことができていて満足しています。初めてApresiaのデモを見た時の印象の通りでしたね。メーカーさんによっては、デモを見て不安になる時もありますから(笑)」
デモ時のことについて、Apresiaを紹介したNTTデータの小島氏は明かす。
株式会社NTTデータ
第三公共システム事業本部
e-コミュニティ開発事業部
第一システム開発担当
課長小島隆義氏(写真右)
第三公共システム事業本部
e-コミュニティ開発事業部
第一システム開発担当
小池政弘氏(写真左)
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「平成16年にApresiaとシミュレーターを組み合わせたQoSのデモをやっていただいたのですが、用途ごとに設定したQoSの結果に揺らぎがなく、非常にキレイで正確でした。これは我々が専門的に見ても、さらにお客様がご覧になってもわかりやすく表現されており、ApresiaのQoSの性能がよくわかりました。その時点でお客様から認証のご要望をうかがったのですが、日立電線さんからはメーカーとしてすぐに実現するように検討します、という回答をその場でいただけました。これは国内メーカーとしての強味だなと思いましたね」
そんな日立電線に対してはどのような印象を持たれているのであろうか。
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須田氏は
「Apresiaは非常にいい製品だと思います。日立電線さんに対しては、導入後もNTTデータさんを通じてさまざまな要望を出したのですが、レスポンスが早いという印象です」
と評価する。
岸氏は次のように話す。
「日立電線さんはスイッチ専業メーカーだと思っていたのですが、電源コードについて細かく説明していただいて、大所帯の電線メーカーだということがわかりました。他のスイッチメーカーや販売会社ですと担当の入れ替わりが激しい場合があり、不安を覚えます。日立電線さんは国内メーカーで直接営業の方が対応していただけるので安心感があります。温和で親しみやすい雰囲気が伝わってきますね」
NTTデータSEの小池氏も同意する。
「今回は特にサービスを停止することなく切り替えることが前提でした。日立電線さんは豊富な実績があり、作業する上での安心感がありました。いまのところトラブルはゼロです」
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事業所を主体にした、都民サービスの質の向上のために。
今後の機能強化に伴うサポートに期待を抱く。
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都内に分散する約650カ所の事業所での本格的な展開は、セキュリティを確保しながら今後の業務効率化、住民サービスの向上にもつながると須田氏は考えている。
「すべての事業所が本庁舎と同じネットワーク環境になったことで事業所主体となったサービスを提供できるようになります。場所の違いでサービスが異なるようでは困ります。今回のネットワーク更新によって事業者間での連携が取れますし、場所を問わず均一なサービスを提供できるようになっていくでしょう」
今後の展開について須田氏は続ける。
「今回の更新によって、機器認証に続いて802.1X などが行える土台ができたと思っています。Apresiaを置くことでユーザー自身は意識することなく何もせずに十分な機能を持たせることができた。Apresiaはさまざまな機能を備えているので、今後もユーザーに規制をかけることなく、機能強化をはかれます」
NTTデータの小島氏もSIの立場で期待する。
「私たちは電子都庁推進計画に基づいて基幹システムの構築を支援してきましたが、現在はより都民に近い事業所レベルでの情報化が進んでいる感じがします。今後は安定したネットワークサービスを提供し、複雑な機能を簡単にわかりやすく稼働状況をオープンにしていくことが重要で、メーカーさんの対応がますます必要になってくると思います」
須田氏は次のように締めくくる。
「Apresiaによる運用は、むしろこれからです。運用管理においては、ユーザーの負担を最小限にすることが最大の命題。L3スイッチは事業所の核ですから、国内メーカーの立場で保守などの迅速な対応をお願いしたい。そして運用のしやすさを常に提供していただきたいです。何が起きるかわからない時代ですから、情報セキュリティの面で時代の先を行くファームウェアを提供していただければ、我々も安心です」
Apresiaをサポートする日立電線にとって、東京都の情報基盤の一翼を担う重要な使命を負っていると言えるだろう。
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Hitachi Cable
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日立電線株式会社
情報システム営業統括部
パートナー営業部
パートナーセールスグループ
課長代理上田元二(写真右)
情報システム事業本部
マーケティング部ビジネス開発グループ
主任畠田俊(写真左)
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首都東京の市民サービスの窓口とも言える都内各所でApresiaをお使い頂ける機会を得られた事に大きな喜びを感じています。
我々の生活環境は変化を続けており、行政サービスにおけるIT化の推進は、ますます重要な意味を持ちます。
ネットワーク機器は文字通りその基幹をなすものです。
コストパフォーマンスに加えて操作性や安定性の高い機器が求められる訳ですから、我々としてはそれにおこたえしたいですね。
他メーカでも備えている標準機能に加えて、プラスアルファの提案を行いたいと常に心がけています。
今回もデモをご覧頂きましたが、機能確認にとどまらずに我々の開発力や柔軟な対応もアピールできたとしたら、大成功だったと考えています。
お客様によってご要望は様々ですが、今後も少し先の未来を捉えてお客様といっしょに考えていきたいですね。
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東京都「電子都庁推進計画」
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平成13年から15年にかけて、ITを活用した総合的な行政情報化計画である「電子都庁推進計画」を策定し、都政の広範な業務にITの効果的な導入を図りながら情報基盤を整備。
その目的は、より質の高い都民サービスの提供と開かれた都政、職員の業務プロセスの抜本的な改革にある。
平成16年より本庁舎と約650の事業所を広域Ethernetで結ぶ、高速・大容量の都庁スーパーバックボーンを構築。
今回中核となるL3スイッチの第2世代としてApresiaを選択し、情報セキュリティの面からより信頼性の高いネットワーク環境を強化している。
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日立電線ネットワークス株式会社
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〒101-8971
東京都千代田区外神田4丁目14番1号
秋葉原UDX 14F(北側)
製品についてのご相談窓口 TEL
(9:00〜17:00 ※土・日・祝 弊社定休日を除く)
本事例記載の情報(役職名、製品価格、製品仕様、サービスの内容、お問い合わせ先、URL等)は、取材日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
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